座骨神経痛になる方の特徴
座骨神経痛は、ある日突然起こる症状ではありません。
多くの場合、日常生活の中にある「身体に負担をかけ続ける習慣」が積み重なり、時間をかけて起こります。
実際に座骨神経痛でお困りの方を詳しく見ていくと、
原因・特徴・起こり方(メカニズム)には、はっきりとした共通点があります。
座骨神経痛の主な原因
まず大きな原因として挙げられるのが、長時間同じ姿勢を続ける生活です。
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デスクワークで長時間座りっぱなし
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車・電車など移動時間が長い
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飛行機や新幹線に長時間乗る機会が多い
このような生活が続くと、腰や骨盤まわりの筋肉はほとんど動かされません。
本来、身体は「動くことで血流と神経の働きを保つ」構造になっていますが、同じ姿勢が続くことでその機能が低下していきます。
そこに重なるのが、水分摂取量の不足です。
座骨神経痛の方の多くは、自覚がないまま慢性的な水分不足の状態にあります。
神経は電気信号を伝える組織であり、その働きには水分が不可欠です。
水分が不足すると、神経周囲の環境が悪くなり、圧迫や刺激に弱い状態になります。
さらに、意外と見落とされやすいのが塩分の不足です。
水分だけを意識して塩分が極端に少ない状態が続くと、体液バランスが崩れ、神経伝達や循環に影響が出やすくなります。
座骨神経痛になりやすい方の特徴
これらの原因を背景に、座骨神経痛の方には次のような特徴が見られます。
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長時間同じ姿勢で過ごすことが多い
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日常的に身体を動かす時間が少ない
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水分摂取量が少ない、または偏っている
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塩分を極端に控えている
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姿勢を支える筋肉が硬くなっている
特に重要なのが、背中から腰にかけての筋肉です。
これらは「抗重力筋」と呼ばれ、立つ・座るといった姿勢を維持するために働く、いわゆるインナーマッスルに分類されます。
抗重力筋は、動かさない時間が長くなるほど硬くなりやすい特徴があります。
硬くなった状態が続くと、背骨や骨盤を引っ張る力が強くなり、身体のバランスが崩れていきます。
座骨神経痛が起こるメカニズム
座骨神経痛は、次のような流れで起こることが多く見られます。
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長時間同じ姿勢・運動不足が続く
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水分・塩分不足により神経環境が悪化する
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抗重力筋(インナー)が硬くなり、姿勢が崩れる
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背骨や骨盤への負担が偏る
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脊柱管狭窄症やすべり症などの状態につながる
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その影響で座骨神経が刺激を受け、痛みやしびれが出る
重要なのは、いきなり神経が悪くなるわけではないという点です。
筋肉の硬さ、身体の使い方、体内環境の乱れが積み重なった結果として、座骨神経痛が表に出てきます。
座骨神経痛は生活と身体の積み重ねで起こる症状です
座骨神経痛を「神経の問題」だけで捉えてしまうと、本当の原因は見えてきません。
生活習慣、姿勢、筋肉の状態、水分・塩分バランスまで含めて考えることで、初めて全体像が見えてきます。
年齢や診断名だけで諦める必要はありません。
身体の環境を整えることで、神経が働きやすい状態へと近づけることは十分に可能です。







